ADHDにとってのコンビニの仕事

ADHD患者にとって、向いてる仕事、向いてない仕事というのは、かなり慎重に考えないといけない事柄だと思います。
もちろん、患者によって症状も違うし、苦手分野でもそれを上回る情熱があれば、その分野で成功する可能性もあります。
僕は学生時代のバイトを含めて、コンビニで働く期間が長かったので、その時の体験談を残しておこうと思います。

バイト時代

大学時代では、そこそこにぎやかな駅前のコンビニで4年間バイトをしていました。
そこは立地的に飲み屋や性風俗店が多い所で、深夜が1番混んでいました。
僕は7割夕勤(17〜22)3割朝勤(9〜17)だったので、勤務期間中はそこまで混雑していませんでした。

コンビニバイトの業務は、

  • レジ
  • 店内/店頭/トイレの掃除
  • 冷蔵冷凍棚の温度チェック
  • 品出し
  • 弁当を並べる

等が主な業務です。
また、2年目からはお酒の発注もやらせてもらいました。

バイトを始めて1ヶ月間くらいは、めちゃくちゃ覚える事が多くて、ちょっとめげそうになりました。
レジも、公共料金や宅急便の受付など、お店に置いてる商品の販売以外にもたくさんのサービスがあります。
チケット発券機の操作方法も、聞かれたらちゃんと教えられるくらいには覚えなきゃいけません。
また掃除も、その店のローカルルールがたくさんありました。

ただ、一度覚えたら、基本的に同じ業務の繰り返しなのでその後は楽でした。

2年目で発注を任されていたのですが、これはなかなか上手く出来ずにしょっちゅう怒られていました。
ルーティンワークと違って、その都度考えなきゃいけない業務だと、どうしてもボロが出ました。

  • 言われていた指示通りに発注していない(忘れてた)
  • 天気や在庫量を十分に考慮できず、気が利かない発注になった。

などで怒られていました。

接客は、普段のコミュニケーションが苦手なので始めた当初から不安材料だったのですが、コンビニのようなワンパターンな接客ならなんとかこなせました。
また立地的にヤンキーやギャル系のお客さんが多かったので、こちらの接客が多少荒くても許される空気でした。

社員時代

2ヶ月ちょいですが、新卒で入った某コンビニチェーンの店舗研修で、社員としても働いていました。

当然、社員になると業務がグッと増えて、そこそこの頭の回転とワーキングメモリーを要求されるのですが、ADHDをまだ診断されていなかった当時の僕では、到底処理しきれない量でした。

バイトレベルのルーティンワークも兼務しつつ、

  • 全カテゴリーの発注
  • 清算
  • 売上金の送金
  • バイト人員のシフト調整

もやらなきゃいけなくなります。

接客も、当時勤務していた店舗の立地は普通の住宅街という事もあり、バイト時代よりも高いレベルを要求されるようになりました。
ある程度しっかりした敬語を喋らないと怒られました。

バイト人員のシフト調整は、かじり程度でしかやりませんでしたが、あれは難しい交渉も絡むコミュニケーションも必要なので、僕には完全に向いてませんでしたね。
機械を相手にする発注の方がまだマシでした。
自己管理さえ満足に出来ない頭で、他人のシフト調整とかマジで無理でした。

また、結構動き回る仕事でもあるので、何か仕事を頼まれてもメモを取りにくく、タスク管理がしにくかったです。

メモを取ろうとしたらレジにお客さんが来る → レジが終わった頃にはメモを取るのを忘れてる → 頼まれてた仕事も忘れる。
という負のスパイラルに陥る事がしばしばありました。

毎日の業務を十分に処理できない日々が続き、気持ちも日に日に落ち込み、最終的に清算業務で大きなミスをしてしまいました。
結果的にそのミスがきっかけで精神を病み休職し、退社しました。

ADHDとコンビニの仕事との相性

自分の経験から、ADHDにとってコンビニの仕事は、バイトならアリかもしれません。
それもあんまり混んでない郊外の店の方が、落ち着いてタスク整理もしやすくて良いと思います。

ただ社員やフランチャイズの店長になるのは、やはり細かい管理業務が多くてあまりオススメ出来ません。

それに、社会情勢的にも、これからコンビニの仕事はAIに奪われて無人化していく可能性が高いので、将来何のスキルにもならない危険性もありますね。

現状ADHDの人は、自分の能力を開拓できずに、単純労働に依存してしまってる方も多いと思います。

しかしこれからはADHDの人に限らず、仕事をAIに奪われる心配のないスキルを身につけるのが大切になってくると思います。

僕は今Webデザイナーですが、Webデザインもいつ無料で高品質なWebサイトを作成できるサービスが出てきて、仕事を奪われるかわかりません。

これからもずっと仕事をしていられるように、絶えず自分のいろんな能力を開拓して行きたいです。

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