僕のADHDの症状その1 抑うつ・無気力

僕の場合のADHDの症状を紹介していきたいと思います。

前提として、ADHDの症状は、患者によって違います。
同じADHDでも、たぶん同じ病名とは思えない程、その症状は患者によって違うんじゃないかと思います。

共通しているのは、神経伝達物質の分泌異常によって、様々な日常生活における困難が生じるという事です。

ADHDは大きく、

  • 不注意優勢型
  • 多動型

の2種類にカテゴライズされます。

僕は”不注意優勢型”に当てはまりますが、多動的な症状も多少あります。
よくLGBTの話題で「セクシャリティはグラデーション」とよく聞きますが、ADHDにおいての不注意・多動の人によっての症状の現れ方においても、まさにグラデーションと言えるのではないでしょうか?

抑うつ・無気力

本題です。
僕が感じている症状で最もつらいのはやはりこれです。
抑うつ・無気力です。

意欲や快楽の元であるドーパミン不足の障害なので、当然といえば当然です。

とにかく小さい頃からテンションが低く、暗い性格でした。
ちょっとした辛い体験がきっかけで、すぐに気持ちが落ち込んでしまいました。
そしてその落ち込んだ気持ちは長引き、いわゆるメンヘラ化していきました。

白血球が足りないと風邪を引きやすくなるのと同様、ドーパミンが不足すると精神を病みやすくなります。
つまり心の免疫力が極めて低い状態なのです。

「抑うつ」という感覚をはっきり自覚するようになったのは、小学校高学年くらいからでした。
やはり、いじめが抑うつの引き金になる事が多かったです。

特に中学では、
いじめられる → 気分が落ち込み抵抗する元気も無くなる → さらに目をつけられる → いじめられる
の無限ループでした。

この頃から、心の内側にどす黒いヘドロがこびり付いたような感覚を覚えました。

高校に上がっていじめは無くなりましたが、この頃から落ち込んでる状態が自分のデフォルトになりつつありました。
とにかく何をしても楽しくない。
集団での会話で、みんながバカ笑いする程盛り上がってても、1人ポカーンとしている。という状態が目立ちました。

大学の頃には何もかもが悲観的な思考になっていました。
何で自分だけこんな不幸なんだろう…
ずっとそんな事を思っていました。

新卒で入った会社では、会社のブラックさを目の当たりにし、抑うつ症状がかなり危険な状態までに進行していました。「どこか遠くの街に蒸発してしまいたい」「わざと車に轢かれて長期入院を試みたい」などの思考に囚われるようになりました。

転機はコンサータの服用

転機は、22歳の時にADHDの診断を受けての、コンサータの服用開始です。
コンサータの効用は、薬を飲んでから約12時間ドーパミンを増やすというものです。
効果は抜群でした。
これは俺の為の薬だと思いましたねw
コンサータのおかげで、どうしようもなく気分が落ちこむという事はほとんど無くなりました。

ちなみに、コンサータは徐放剤(体内でカプセルから成分が徐々に放出される仕組み)なので、飲むとテンションがアゲアゲになる程の効果はありません。あくまで気分のボトムアップという感じです。
なのでよく誤解されているような、コンサータは覚せい剤と同じように、飲むとハイになれる、という事はありません。少なくとも僕にとっては。

よく議論に上がる依存性も、僕にとっては生活上無くてはならない薬ではありますが、服用をやめると禁断症状が現れる、といった事もありません。

コンサータを服用するのを悩まれている方がいれば、僕は是非お勧めしたいです。
相性が合えば本当にいい薬だと思うし、合わなければすぐやめることも出来ます。

服用してからは、思考が全体的に前向きになり、徐々に仕事や人間関係で自信を持てるようになりました。

人間はネガティブになるとろくなことがありません。今診断前の人生を振り返ると、そりゃ何もかもうまく行かなくて当然だったと思います。

コンサータと出会えて本当に良かったです。

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